スペースウォール工法の開発背景

壁式構造は6面体として地震や台風などの外力を受け止める、強度に優れた構造です。過去の大震災において、壁式構造が倒壊はもちろん大きな被害を受けた例はありません。

そのような高い耐震性を持っている壁式構造ですが、

・木造に比べコストがかかる。
・大空間が作りにくい、間取りの自由度が低い、リノベーションがしにくい

といった理由から、壁式構造が選択される割合が少ないと感じています。

さくら構造では、耐震性の高い建物を日本に普及していくことを目標にしています。

躯体費を下げることができれば、間取りの自由度を向上できれば壁式構造が選ばれる割合が増えると考え、スペースウォール工法を開発しました。

スペースウォール工法とは?

スペースウォール工法では、RC壁を極限まで減らすことで従来の壁式構造では作りにくかった大空間が作りやすくなり、間取りの自由度が向上します。

そして、間仕切り壁を非RC壁とすることで、従来の壁式構造に比べリノベーションがしやすくなります。

また、今までの共同住宅の多くは外壁、共用部、戸境壁にRC壁を配置している壁量が十分余っているプランニングでした。

スペースウォール工法では壁量の基準の最低量を目指すため、一般的な壁式構造より構造躯体数量を抑えることがきます。間仕切り壁は非RC壁となるため、RC壁に比べ重量減となります。重量減となることにより地震力を減らすことができるため、必要とされる躯体数量を少なくすることが可能となります。合わせて、基礎のコストダウンも期待できます。

スペースウォール比較表

スペースウォール

一般的なWRC造

一般的なRC造

耐久性

耐震性

コスト

施工性

プランの自由度

スペースウォール工法の技術的注意点

スペースウォール工法は、RC壁を極限まで減らすため耐火間仕切り壁が増加します

1㎡あたりの耐火間仕切りとRC壁の性能や価格、重量の調査を行った結果、耐火間仕切は重量を軽減するだけでなく、RC壁に比べてコストが低めで、遮音性能が同等かそれ以上に優れていることがわかりました。

耐火間仕切りとRC壁についての詳細は、
ダウンロードコンテンツ「耐火間仕切りとRC 壁の比較」
をご参照ください。

実大実験棟カンティーナ

建物用途 食堂付きオフィスビルとキッチンスタジオ
階数 4階
延床面積 497㎡
用途 レンタルキッチン&オフィス
構造種別 壁式鉄筋コンクリート造
(スマートウォール工法とスペースウォール工法の併用)
壁厚・壁配筋 壁厚150mm(D10@250シングル配筋)を標準とし一部のみ壁厚を上げている。
骨材 石灰石(乾燥収縮量600μ)を採用(詳細は上記「ひび割れを制御するために」参照)※骨材を指定しない場合は安山岩(乾燥収縮量900μ)となる
その他 外断熱工法を採用し内壁はすべて打放し仕上げとして、ひび割れ観察が可能な配慮を行った。

カンティーナはスマートウォール工法とスペースウォール工法を
複合的に計画した実大実験棟です。

ファサードはスペースウォール工法の特徴であるRC壁を減らす計画とし、一見ラーメン構造に見えるような開放的なデザインとしています。また、3階部分のリフェクトリ―ルームはスキップフロアを併用することで平面も高さもゆとりのある広々とした大空間を実現しました。

一般的にプランの制約が多いと言われる壁式構造でありながらも、スペースウォール工法の特徴を生かした構造計画をすることで自由なプランニングと構造躯体コスト最適化の両方を実現しています。

さくら構造構造躯体最適化SVシステム工法

自社工法に関するコラム

さくら構造(株)は、
構造技術者在籍数日本国内TOP3を誇り、
超高層、免制震技術を保有する全国対応可能な
数少ない構造設計事務所である。
構造実績はすでに5000案件を超え、
近年「耐震性」と「経済性」を両立させた
構造躯体最適化SVシステム工法を続々と開発し、
ゼロコスト高耐震建築の普及に取り組んでいる。

【さくら構造株式会社】
事業内容:構造設計・耐震診断・免震・制振・
地震応答解析・
構造躯体最適化SVシステム・
構造コンサルティング

●札幌本社所在地 〒001-0033 
札幌市北区北33条西2丁目1-7
SAKURA-N33 3F
TEL:011-214-1651  FAX:011-214-1652
●東京事務所所在地 〒110-0015 
東京都台東区東上野2丁目1-13
東上野センタービル 9F
TEL:03-5875-1616  FAX:03-6803-0510
●大阪事務所所在地 〒541-0044 
大阪府大阪市中央区伏見町2丁目1-1
三井住友銀行高麗橋ビル 9F
TEL:06-6125-5412  FAX:06-6125-5413
見積り相談はこちらから

戻る